『セックスドラッグ』
「ん……ん」
鼻から抜ける声をもらしつつ、舌をからめ、しごきあう。
濡れた唇と舌が、ぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅといやらしい音をたてた。
唇が離れて、ふ、と目を開けたヒル魔の視界にとびこんできたのは、革の拘束具。
「……」
指先にそれをぶらさげたムサシが、ムリヤリひきつり笑いを浮かべている。
「……よくまぁ、次から次へと」
ほとほとあきれ果てた、という口調でヒル魔が言うと、ムサシは唇をゆがめた。
「いろいろ知恵つけるヤツがいるんだよ、うちの店には」
「……おまえ、まさか俺らのこと」
ムサシは珍しくあわてた調子で、ぶんぶんと首を横に振った。
「イヤイヤ。言ってねぇよ。俺とそういう話をするんじゃなくて、どこのソープがいいとかいう話を、俺の前でもするってだけで」
「ふぅん」
ネットにさして興味があるわけでもないこいつが、ヘンに耳年魔なのは家庭環境のせいか、と今さらながらヒル魔は納得した。
男ばかりのむさくるしいこぢんまりとした職場でそういうあけすけな話題が出るのは不思議じゃない。ムサシがもっと歳相応の顔と体つきなら多少従業員らも多少遠慮するのだろうが、それを忘れさせてしまうような雰囲気の持ち主ではある。
「で、それ着けたいのか?」
「俺が? いや、俺じゃねぇよ。お前が……」
すっ、と半眼になったヒル魔に、ムサシの言葉が途切れる。
「……」
「……」
「で。どこにつけんだ、それ」
「え……え、と。手首」
「手首? と?」
「ベッドの脚……」
ふぅーん、とヒル魔が応えた。
「じゃ、つければ?」
他人事のようにあっさりと放たれた言葉に、思わず「え?」と応えたムサシだったが、そのせいでヒル魔の気が変わるのを恐れたように「あ、いやいや」と早口で否定する。
「じゃあ、せっかくだから。寝てくれ、ヒル魔」
ムサシはベッドに大の字になったヒル魔にのしかかる。ヒル魔はただ寝転んでいるだけで色気もへったくれもない。
ヒル魔の細い手首に革のベルトを巻きつけ、チェーンの先にある輪をベッドの脚にはめた。
「きつくないか? ヒル魔」
うっ血でもしたら困ると、ムサシはベルトの紐をひっぱる。
「いや、大丈夫だ。……で? 俺はこのまま寝てればいいのか?」
「ん、ああ」
「しっかし。いっつも好きなようにヤらせてやってんのにどうしてわざわざ繋ぎたがるかねぇ」
ヒル魔の前をはだけていると、そう声が聞こえた。
「ん〜……いや、やりてぇのはコレじゃなくて、放置プレイっつーのか?」
「あああ……」
なんとなく納得したようなあいづち。
ムサシはヒル魔のズボンに手をかけて、下着ごと抜き取る。
ヒル魔はこれで、肩にシャツをひっかけただけの格好だ。
むろん、ヒル魔のそこはまだなんの反応も見せてはいない。
「で、これつけたまま放置して、俺がどうこうなると思うか?」
ムサシが顔を上げると、ヒル魔の視線とぶつかる。その口の端に、笑み。
「……ならねぇだろうなぁ」
ヘア全開の裸ではあるが、それをどうこう思うような男ではない。
このまま放置しても、おそらく数分後には寝息をたてているだろう。
だが。そんなことは実はムサシも折り込み済みだった。
ズボンのポケットから、小さな瓶を取り出す。
それを見たヒル魔の表情が、一瞬にしてこわばった。すぐさま、ムサシの手にあるものがなんなのか、理解したらしい。
とうてい口に出してはいえないような恥ずかしい名前のついた軟膏。いわゆる媚薬。
「テメー……」
「アダルトショップで」
「んなこた聞いてネェ!」
「言ったら抵抗するだろ?」
ヒル魔がわめくよりさきに、ムサシが、ぽん、と手をたたいた。
「おっと。その前にこっちだ」
サイドテーブルに置いてあるコーラの缶を手にとる。
「口開けろ、ヒル魔」
「……念のいったことで」
眉間に深くシワをよせながら、ヒル魔は片方の唇の端を吊り上げる。
「ああ。これ、さっき俺も飲んだから。今のところ別に腹がいてぇとか、そういうのはないから、大丈夫だ」
「てめぇも飲んだのか?」
「ヘンなもんをお前に飲ませるわけにはいかねぇだろう」
「……で、気分は?」
「興奮してるかってことか? コレみろよ」
ムサシは自分の股間を指差した。
ゆったりしたズボンのせいでわかりにくいが、そこは確かに持ち上がっている。
「お前って、顔にでねーよな」
ヒル魔が、そうつぶやいた。
「わかったら口開けろ」
「おい、飲むとは言ってねえ!」
「鼻つまんで飲ませてもいいんだぞ」
まんざら冗談でもなさそうなムサシの口調に、ヒル魔はしぶしぶ申し訳程度に口を開いた。
そこへ、器用にコーラを流し込む。少しずつ。
ヒル魔が顔をしかめる。
「ヘンな味……」
げえ、と舌を出す。
「漢方薬みてーだろ」
「ん、薬くさい」
ムサシは微笑って、唇を吸った。気を紛らわせてやるように舌をからめる。
顔を離すと、唇の間に、つ、と透明な橋がかかった。
さて、とムサシは再び小瓶を手に取る。
なかのクリームを指ですくって、ヒル魔の後ろに手を伸ばした。
「そっちか……」
予想外だ、というヒル魔のつぶやき。
こいつ、あんまり自覚ねーなぁ。そう思う。
「……この瓶、なんか中身すくねーな」
ぶつぶつと言うムサシに、ヒル魔の哄笑が降ってくる。
「馬鹿だ、馬鹿。安いモンでもねーのによ」
「しかたねーだろ。使ってみたかったんだからよ」
瓶と後庭の間で指を往復させていると、ヒル魔の前が立ち上がってきた。
もう、いいか。
それを見て、ムサシは瓶を置く。
まだ指についているクリームを、ヒル魔のふたつの胸の飾りへ塗りつけた。
すると、そこもすぐに色づいて、隆起してくる。
指先でころがすと、ヒル魔は眉根をよせて身悶えた。
頬が赤みをおびて、息が荒い。もっとも、自分も相当興奮状態にある。ズボンはゆるかったが、下着から飛び出して染みを作りかねない状態なので、ムサシは自分も服を脱ぎ捨てた。
ベッドにのぼり、ヒル魔をまたがる。
薄く開いた口の前におのれの猛ったものを突き出すと、ヒル魔はなにも言わずに舌をからめた。
「んっ! んっ、あ、ん」
声をもらし、唇の端から唾液を滴らせながらムサシのそれを舐めまわす。
「コーラのほうは効いてるみてーだな。塗り薬のほうはどうだ? ヒル魔」
「……ん、ヘンな感じ……痒いような……あ……熱くなってきた」
ムサシはベッドからおりて、椅子に腰掛けた。
「さて。本番はこっからだ」
そのつぶやきに、ヒル魔は険しく眉根を寄せて睨んできた。
会話はなかった。
あるのは、荒い息遣い。
はりつけにされたヒル魔と、それを見るムサシ、ふたりとも。
そしてかすかな時計の音。
ヒル魔が、みじろいだ。
ベッドがきしむ。はっとしたように、ヒル魔は動きをとめる。
ヒル魔の前からは、粘るものが糸を引いて、自身の腹を汚している。
ムサシはわざと大きな動作で手をあげ、自らのものをつかんだ。
ヒル魔がそれを目で追う。
ゆっくりとしごきあげる。薬のせいもあって、ムサシのものからも滴っている。それを指先で掬い、幹にぬりつける。
ヒル魔は魅入られたようにそれを見つめていた。
ムサシがにやりと微笑うと、我に返ったように、顔をそらせる。
「ああ、気持ちいい」
わざとらしくつぶやけば、ヒル魔が、また、ぱっと顔をこちらへ向ける。だが次の瞬間、目の前にあるムサシの一物に、ぎょっとした表情を浮かべた。
「このままかけてもいいか?」
ヒル魔の顔のすぐ横でしごきながらムサシは言う。
「馬っ、よせ……」
ヒル魔の視線は、吸い寄せられたように、ムサシのそれから動かない。
ムサシの指の動き方から、どう感じているのか、同じものを持っているヒル魔には想像がつくだろう。
ムサシの手の動きが速くなる。ピクピクと波打つソレを、ヒル魔が目のふちを赤くして睨みつける。
「て、め……自分ばっかりイったら許さねぇぞ」
さすがにあとが怖いな。
そう思って、ムサシはなんとか手の動きをとめた。意外とヒル魔はしつこいほうだから。
大きく息をつきながら椅子へもどると、ヒル魔は唇を噛んで視線をそらせた。
「ヒル魔。……ヒル魔!」
なんどか呼ぶと、やっとのろのろと視線をこちらへ向ける。
ムサシはわざと猛ったものをみせつけるような姿勢で腰掛けている。
「コレ。入れたいか?」
「……」
沈黙。だが、視線はムサシの屹立にからみついたまま。
……やべぇな。なんて目ェしてやがる。
濡れた、という形容がピタリあてはまるヒル魔の瞳。その視線の先は自分の股間なのだ。
ムサシの情欲を忠実に示して、彼の息子がピクピクと脈打つ。
と、ふいにヒル魔の細い眉が切なげに寄った。同時に、かすかに腰が動く。
ムサシはふたたびベッドに歩み寄ると、手をつき、体重をかけてベッドを揺らした。
当然、ヒル魔の身体も大きくゆすられる。ヒル魔の前のものが、その拍子に己の下腹を打った。
「ああ……っ!」
びくり、とのけぞって、ヒル魔が声をもらす。
ムサシは続けて、2度3度スプリングをきしませた。
「あっ、あっ、や……あっ!」
肉同士が瞬間、ぶつかるだけの刺激にもヒル魔は声をあげる。
嫌だ、と言ったくせに、ムサシが手を止めると名残惜しげに腰をもじつかせる。
「……ムサシ」
「なんだ」
「……も……放置プレイは、いいだろ……?」
「そうだな」
触れるか触れないかの微妙さで、ムサシの指が、涙をこぼして立ち上がっているものの先端をつついた。
「……っ」
一瞬、ヒル魔は身体をこわばらせて背を反り返らせたが、ゆるゆると首を横に振る。
「そ、っちじゃ、な……」
「こっちでも気持ちイイだろう?」
笑いを含んだ声に、ムサシの意図を悟って、ヒル魔の頬が赤くなる。
「……」
ひそめた眉の下、逡巡に瞳が揺れている。
もじもじと腰を動かす。
正直なところを言えば、ムサシもさっさとツッコみたい。なにしろ条件は一緒なのだから。
だが、こんな機会でもなければプライドの高いヒル魔をじらすことなどできないだろう。
合理的なヒル魔のことだ。仮に求めてきたとしても。ムサシが抵抗しようがなんだろうが、さっさと押し倒して、騎乗位で腰をふって終わり。掘ったのに掘られた気分でいっぱい。
おそらくそんなところだ。
ムサシはヒル魔の脚の間に座り込むと、太ももを持ち上げ、M字開脚の形をとらせる。
ヒル魔がイヤイヤをするように首を左右に振ったが、聞くつもりは無い。
ムサシはヒル魔のそこへ顔を近づける。
そこは、なにもしないうちからひくひくと開閉をくりかえしている。
「……どこが熱いって? ヒル魔」
息がかかるほどの距離で尋ねると、ガチャリ、と鎖のなる音がした。
「んっ! ……あ、ソコっ」
「ココ?」
応えながら、指先でゆるゆると周囲をなぞる。
「あっ、あっ」
びくびくと空腰を使いながら、ヒル魔がもだえる。
「上の口より下の口のほうが正直だな? ぽっかり開いてるぞ。欲しい、ってな」
ヒル魔の息遣いはますます激しくなる。
息を吐いているのか、あえいでいるのか判然としないほどだ。
「ヒル魔。過呼吸なんかおこさないでくれよ」
「馬、鹿っ。……誰がそんな、間の抜けたこと……するか……っ」
ムサシは、ヒル魔の下の口に、舌をもぐりこませた。
「ひっ!? ……あっ、あっ……」
ぬるぬると抜き差しを繰り返す。
「ム、サシ……あ、ムサシ……っ、もっと奥……っ」
「……そうか。舌じゃ届かねぇな」
指を一本、入口にあてがい、ゆっくりと、わずかずつ、押し込んでいく。
ヒル魔の意識が、否が応にも、指に集中するように。
ヒル魔はじっと動かない。ただ、指を飲み込んでいくところだけが、まちかねたように締め付けてきた。
ムサシの指が、わずかに隆起した場所をとらえた。
とたん、ヒル魔が声もなく背をそらせて大きくのけぞる。
「! ……く……あ……っ」
ムサシの感触だと、前立腺のこぶが、いつもより大きい気がした。
それを確かめるように、その形状全体を指先でさぐる。
ヒル魔が激しく悶えた。
「あ! あ! 嫌っ、イクっ!」
もう? 早いな。
ムサシは声に出さずにそう思う。たしかにヒル魔の体が震え始めていた。
指を動かしつづけてやれば、悲鳴のような声をあげてヒル魔の全身が硬直した。
「満足したか?」
指を抜いてたずねれば、首を横に振る。
「一本じゃ足りねーか?」
「……指じゃ、なくて。お前の……ムサシ……」
「俺の? これか?」
膝立ちになって、見せつけるように降ってやると、何度も頷いた。
「お前……の……」
ピタリと視線を据えたまま、ヒル魔の喉がごくりと鳴る。
「入れ……入れ……て」
は、は、と浅く呼吸を繰り返しながら、ついにヒル魔は言った。
「わかった」
ふたたびヒル魔の脚を持ち上げ、入り口にあてがうと、それだけでヒル魔はあえぐ。
「力ぬけよ」
いくら軟膏ですべりが良くなっているとはいえ、あまり締め付けられると痛い。
ずず……と腰をすすめると、ヒル魔が聞き間違えようの無い歓喜の声をあげた。
奥までつきあげる。ヒル魔の内部に、しぼるようなうねりが生じた。
「ああ! ムサシ……すご……いっぱい、に、な……っ、あ……中が……っ」
ヒル魔は、自分の中がムサシでいっぱいだと繰り返し切れ切れに訴える。
体中から汗がしたたり、ほんのりと色づいた裸体が光って見えた。
「すげぇな……」
膣に比べれば凹凸のすくない器官であるそこは、強烈なしめつけに慣れてしまうと、さほど気持ちはよくないといわれる。
だが、今ムサシに与えられている感覚は、それが間違いだと断言できるほど、気持ちよかった。
「ヒル魔……イっちまう……」
ムサシとてさっきからずっとじらされているのと同じである。限界はすぐにきた。
「や、まだ、イヤ……っ」
ヒル魔は鎖をならして身体をゆする。
「馬鹿っ、動かすな」
「無、理。あ……」
ヒル魔は多少力を抜こうとしたようだが、下の口はまったくその意志を無視してムサシのものから貪欲に快楽をしぼりとろうと蠢いている。
「く……そっ」
これ以上は本当に限界だった。かくなるうえは、とムサシはヒル魔の前で濡れそぼっているものをつかんだ。
「ひあっ! あっ!」
いきなり違う方向から刺激を与えられて、ヒル魔が悲鳴をあげる。
ムサシはからみつくヒル魔を無視して激しく腰を使う。
腰の下に左腕を差し込んで持ち上げ、先端がヒル魔のポイントに更にこすりつけられるようにし、右手はやや縮こまり気味になっていたものをしごきあげる。
「あ! あ! あっ!」
ムサシの肩にかつぎあげられた細い脚が、ビクっ、ビクっ、と大きく痙攣を繰り返す。
ガチャガチャと鎖のなる音とヒル魔の甘い悲鳴が、途絶えることなく響いている。
「はっ、あ……! イイっ! イ……あっ! ぅあっ! イ……っ」
「くっ。ホントに、もう……イくぞ、ヒル魔」
「ああっ! ああっ! ムサシ! ムサ……」
聞こえてはいないようだった。ヒル魔はなぜか必死でムサシを呼んでいる。
「どうした、ヒル魔。俺はここにいるぞ」
その声が耳に届いたかどうか。
ヒル魔は大きく頭を左右にうち振っている。パサパサと髪が乾いた音をたてた。
「ああ! ム、サシっ!」
ムサシからは、ヒル魔のきれいにのけぞった顎と白い喉元しか見えない。
奥歯をかんで、さらに腰と手の動きを速くする。
「あ、もうっ。イク! ヒル魔! いっしょにイってくれ……!」
頭が白くなる。
喉の奥でうめきながら、競りあがってきた熱いほとばしりを、ヒル魔のなかに叩きつけた。
「あああ、あーっ!」
それを感じてか、ヒル魔がひときわ高く叫んだ。
ムサシがガクガクと腰を痙攣させる。
ヒル魔の背中が大きくしなる。脚がムサシの肩からすべりおち、大きく開いた状態で、前から白い液を吹き上げながら激しく腰をゆすりたてた。
「……っ!」
声にならない叫びをあげ、ヒル魔は同時に絶頂を迎えた。
徐々に硬直がぼぐれ、ヒル魔の中からやわらかくなったものを引き出したあとも、ヒル魔は間歇的に身体を震わせている。
ときおり、びくっ、と大きな痙攣を繰り返しながら。
じきおさまるだろうと思っていたそれが、あまりに長く続くので、さすがに心配になったムサシは、まだのけぞったままのヒル魔の顔に手をかけて頭の位置を戻す。
きつく閉じられたままの目元からは涙が流れ、顔は涙と唾液とでぐしゃぐしゃだった。
「ヒル魔。ヒル魔!」
頬に手を沿えてゆさぶるようにしながら呼びかけると、やっと薄く目が開いた。
だが、焦点があっていない。
「う……っ」
また、ピクっ、と痙攣が走る。
「ヒル魔! 大丈夫か?」
やっとヒル魔の目がムサシをとらえた。
「あ……、ムサシ……」
ふたたび、ピクリ、と体が揺れる。
「お前大丈夫か? まだ痙攣してるが」
「ん……」
きゅっ、と唇を引き結んで、ヒル魔はなにかに耐えるような表情を見せた。
少しして、おさまったのか、静かに口を開いた。
こちらを見る目元はまだ濡れていたが、浮かぶ光は冷静だった。
「ムサシ。これ、外せ」
ガチャリ、と鎖が鳴る。
紐を解いてやると、汗で濡れた肌と革がさんざんすれたせいか、ゆるめにしていたにも関わらず赤く跡がついていた。
「あ〜……」
それを見てヒル魔が眉をひそめる。
「すまん」
「テメ。手はQBの命だってのに!」
すっかり正気に戻ったようだ。
「すまん……」
「いーや、許さねぇ。どう責任とってもらうかな〜」
手首をさすりながら、楽しげに口角を吊り上げるヒル魔をみて、ムサシは嫌な汗が噴き出すのを感じた。
もしかしてコイツ、ここまで予測した上でOK出したのか?
それにしても。さっきまでの色っぽさはどこへ消えたんだ。
そう思いながら、ムサシは全裸のまま、ベッドの上で土下座した。
翌日からしばらく、ヒル魔の両手首からリストバンドが外される事はなかった。
了
え〜と。今回に限らず、ヒル魔さんは直腸洗浄を済ませております。薬つっても、前立腺用の薬があるのかな? ま、あるってことで、どうかひとつ。
エロが主体なので、そこに至るまでの経緯とか、理由とかはぜんぶすっとばして、季節の描写も服装の描写もすっとばしてあります。コスチュームプレイだったら別ですけど。